鉄斎美術館本館では12月21日まで「鉄斎の仙境―神仙の棲む世界―」展が開催され、古代中国の神仙思想に学び、大きな影響を受けた鉄斎の胸中を表現した「仙境図」が約60点展示されています。
令和8年の幕開きは、「鉄斎―古典の世界―」。お正月に因み、日本の古典を画題とした鉄斎のやまと絵など華やかな作品が鉄斎美術館別館史料館で1月6日から2月15日まで展示されます。
日本の歴史や故事に学び、画に表した鉄斎
鉄斎は中国の故事や逸話を描いた作品がよく知られていますが、日本を題材とした作品も多く、画題によってはやまと絵風に描かれています。
日本独自の風俗や自然、物語を題材に描かれた絵の様式をやまと絵といい、平安時代に誕生しました。鉄斎も美しく穏やかな色調のやまと絵の様式を用いています。
鉄斎のやまと絵の代表的な作品のひとつ、対幅の『大嘗会図・釈奠図』のうち「釈奠図」(左)は奈良時代に唐から伝わった孔子など儒教の先師を祀る儀式で、日本では平安時代に儀式化され、その様子を鉄斎も書物から学び描きました。賛には儀式の内容が記され、宮中での厳かな様子を垣間見ることができます。掛幅の『始献牛乳図』は日本で初めて牛の乳を搾る役人を描いた珍しい作品です。
83歳で描いた『奈良八重桜図』は古木を切ろうとする村人に僧が意見をしている図で、鉄斎らしい筆致で描かれた人物の表情が楽しい作品です。茶の湯を好んだ豊臣秀吉が催した大茶会は『北野大茶湯図巻』に美しく描かれました。
日本の歴史の一端を知ることができる「鉄斎―古典の世界―」。
初詣の折には是非、鑑賞を。
また、中央図書館内の「聖光文庫」では2月15日まで鉄斎の画の源泉をテーマにした企画展(左記参照)が開催され鉄斎の仙境図の源泉となった書画の旧蔵本や拓本など約20点が展示されています。
3月10日からは鉄斎美術館本館で「鉄斎生誕190年鉄斎の人物画」展(仮称)が予定されています。

大嘗会図・釈奠図 50歳代
「鉄斎―古典の世界―」展
会期:2026年1月6日(火)~2月15日(日)
開館時間:9時30分~16時30分
会場:鉄斎美術館別館 史料館 ※入館無料
月曜休館(1/12開館翌休館)
鉄斎美術館・宝塚市立中央図書館聖光文庫共催企画展
「富岡鉄斎の画の源泉―愛蔵書画・拓本に探る」
会期:2025年12月7日(日)〜2026年2月15日(日)
休館日:水曜日、第2金曜日、年末年始(12月29日〜1月3日)
会場:聖光文庫(宝塚市立中央図書館内) ※入場無料