清荒神清澄寺を訪ねて 鉄斎美術館・本館開館50周年記念「鉄斎の仙境―神仙の棲む世界―」~12月21(日)

清荒神清澄寺を訪ねて 鉄斎美術館・本館開館50周年記念「鉄斎の仙境―神仙の棲む世界―」~12月21(日) 鉄斎美術館本館「聖光殿」では仙境図を数多く遺した富岡鉄斎(1836~1924)の「鉄斎の仙境―神仙の棲む世界―」が開催されています。16日には境内で茶会が催され、多くの参詣者が日本文化を楽しみました。芸術の秋、紅葉を愛でながら、鉄斎が理想とする神仙の世界を覗きに美術館を訪れてみてはいかがでしょう。
開館時間 午前10時〜午後4時30分(入館は4時まで) 入館料 一般300円、高大生200円、小中生100円 (老人、障害者手帳提示の方は各々半額) 宝塚市米谷字清シ1 清荒神清澄寺山内tel.0797-84-9600

仙境図に込められた鉄斎の胸中に出会う
多くの文人が好んで描いた画題でもある仙境は、中国古代の老壮思想にも通じ、俗塵を排し自然の中に真理を求め、隠遁する仙人が棲む理想郷とされており、鉄斎は独自の仙境図を描きました。
不老不死の仙人が棲むとされる渤海湾中に浮かぶ三神山や神仙が描かれることから吉祥画としても親しまれ、人々から求められることも多く、数多の傑作が遺されました。
また、長寿を何より尊ぶ鉄斎は晩年、自身を神仙である寿老人にたとえています。
展覧会会場正面に展示され、目を引くのは、三幅対の大作『寿山福海図』(左下図版)で中央に仙境、左右には渤海を渡る仙人たちの群像が色鮮やかに描かれています。鉄斎64歳の青緑山水の名品です。
三神山のひとつ、蓬莱山の図は長寿の鉄斎にあやかろうと多くの人が求めた画題でもあり、最晩年89歳の水墨山水や扇面に描かれた青緑山水の『蓬莱山図』などを観ることができます。瀛州を画題とした『東瀛神境図』(右上図版)は墨の濃淡だけで表現された力強く美しい作品。水墨山水、青緑山水ともに見ごたえのある作品ばかりで、鉄斎の「胸中の丘壑」を間近に見ることができる展覧会です。
ロビーには、鉄斎の自宅、京都室町の敷地に建てられていた3階建の書庫「魁星閣」の手すりの一部が展示されています。

  
寿山福海図 1899年 64歳

清荒神清澄寺を訪ねて 鉄斎美術館・本館開館50周年記念「鉄斎の仙境―神仙の棲む世界―」~12月21(日)

「鉄斎の仙境―神仙の棲む世界―」展
会  期:11月11日(火)~12月21日(日)
開館時間:10時~16時30分
会  場:鉄斎美術館本館 月曜休館(11/24開館翌休館)
入場料:一般600円、高大生400円、小中生200円
(65歳以上、障害者手帳提示の方、半額)

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