アート見聞記
「宝塚市展」と「宝塚芸術展」 の寸感
2013年04月号
私は、1月下旬に宝塚市立文化施設ソリオホールで開かれていた第56回「宝塚市展」を覗いた。中でも洋画部門が抽象と具象の二部門に分けられていることに少し戸惑った。 さて、洋画部門の出品作品は、殆んど具象作品で、会場を占めていた。二部の抽象作
卒寿を超えて 「上前智祐の自画道」
2013年01月号
上前智祐は、前衛美術家・吉原治良が創設した「具体美術協会」の創立会員であり、一九七二年の解散まで在籍しつづけた数少ない会員の一人です。九二歳を迎えた今もなお、明石海峡大橋を臨む舞子のアトリエで、新しい美術表現に挑んでいます。 一九二〇
「継承-受け継がれるもの-」開催中
2012年11月号
896年の創建以来、平安末期と安土桃山時代の二度の戦禍をくぐり抜け、千百有余年の歴史的変遷を経た清荒神清澄寺。その境内に佇む史料館では、「継承」をテーマに構成された展覧会が開催され、日本の伝統文化が受け継がれていく一端を高質な芸術作品に見
「尼崎アートフェスティバル2012」 宝塚在住2名の作品を観て
2012年10月号
炎天下の先日、汗を拭いながら尼崎市総合文化センターで開催されていた「尼崎アートフェスティバル2012」の会場を訪ねた。 阪神間で活躍している70人の作家の作品が紹介されている現代美術展だ。平面から立体まで、さまざまな素材で自由な表現によ
森田子龍と墨人会展
2012年08月号
兵庫ゆかりの書道家として、前衛書の上田桑鳩と共に昭和の書道史に遺る森田子龍の作品を観ることができる展覧会「森田子龍と墨人会」が7月1日~9月28日まで(8月10日~16日夏期休館)史料館で開催され、清荒神清澄寺所蔵の作品と、氏が昭和27年
人と海の競演 中畑艸人・小出卓二
2012年07月号
薫風に誘われ私は、宝塚の中央図書館内にある聖光文庫展示コーナーで開催されている「寄贈絵画・歴史資料展」(5月12日~7月10日)を訪ねた。 寄贈絵画の展示では、洋画家の中畑艸人(1912~1999)と小出卓二(1903~1978)両氏の
―私が関わった出版物二冊― 『阪神美術探訪』と 『大河内菊雄著作選集』
2012年05月号
昨年10月、筆者が65歳の誕生日を迎えるのを目途に『阪神美術探訪』(光村推古書院刊)を出版いたしました。2007年に20年間勤めた伊丹市立美術館を退いて以降の美術展評や阪神間のパブリックアート、アトリエ訪問記などを収録。例えば、宝塚在住の
武庫川の不死鳥 「生(せい)」オブジェ
2012年02月号
昨年12月初旬、宝塚市の武庫川中州に、「生」の石積みオブジェが、また再現された。「生」の石積みオブジェ(縦約20メートル、横約10メートル)は、2005年1月宝塚市の美術家大野良平さんが、阪神・淡路大震災の犠牲者を追悼し、「街と人の心の再
追悼 元永定正さん 2011年10月3日逝去(88歳)
2012年01月号
宝塚市在住で、戦後、関西を拠点に活動した前衛美術家集団「具体美術協会」の中心メンバーであった画家・元永定正さんが先頃亡くなられました。 かつて元永さんは、一九五五年に芦屋市の芦屋川の川沿いの松林で行われた「具体」の野外美術展について、次
ブロンズ像 “平和への願い” (1974年設置)
2011年11月号
『ウィズたからづか』編集部のある宝塚南口駅前ロータリーに彫刻家・木内禮智作〈平和への願い〉ブロンズ像(高さ約1.8m)が佇んでいる。コンクリート製台座(高さ約60㎝、縦60㎝×横60㎝)には、四つのテストと刻印された銘板が嵌め込まれている
伊丹市立美術館
宮ノ前 072(772)7447