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生命とは何かを問い続ける 宝塚市平和モニュメント「火の鳥」

生命とは何かを問い続ける 宝塚市平和モニュメント「火の鳥」

本市は、1989年3月7日に憲法の平和精神に基づき、永遠の平和社会を築くことを誓い、「非核平和都市」とすることを宣言しました。平和は、世界のあらゆる人々が希求する普遍的なものであって、その努力を続けることを誓い、ここに平和モニュメントを建設します。

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『火の鳥』について

火の鳥の原典は、ロシア民話の中で、自らの体を炎に焼き、その炎の中から復活し永遠に再生し続ける「生命の象徴」として登場します。火の鳥は、故手塚治虫氏により古代から未来へ永遠と続くあらゆる生命の観察者としての使命を与えられ、人類が何度も繰り返した醜い戦いの歴史を見守りながら、戦争のない平和な世界がつくられ、宇宙に存在するすべての命が大切にされることを願っています。
1994年8月宝塚市

こんな銘板が、手塚治虫記念館前に埋められていた。手塚のライフワークである火の鳥をイメージしたブロンズ製の作品は高さ約3メートル、カラフルで漫画から抜け出たようなポーズで来館者の人気を集めている。

手塚治虫(1928~89年)は1946年、大阪大学医学専門部在学中に『マァチャンの日記帳』で漫画家としてデビュー。クローズアップなど映画の技法を大胆に取り入れた47年の『新宝島』(原作者は酒井七馬)を発表後、『ジャングル大帝』『リボンの騎士』など戦後のストーリー漫画を開拓し、漫画の神様と称される。63年には国産初の連続テレビアニメ『鉄腕アトム』を制作し、日本アニメの基礎を作ったといわれている。多感な時期を宝塚で過ごした手塚の未完の大作『火の鳥』のテーマは、人間の生と死にあり、生命への讃歌である。

この平和モニュメント火の鳥が、自然への愛と生命の尊さを何時までも希い、佇んでくれることに思いを馳せるのは私ひとりだけではないだろう。

〔訂正〕
ウィズ255の宝塚アート見聞記で取り上げた宝塚市平和モニュメント「火の鳥」は、市民や団体などからの寄付と宝塚市により制作されました。宝塚武庫川ロータリークラブは手塚治虫記念館前のくすの木を寄贈しました。ここに訂正しお詫び致します。

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「自然への愛と生命の尊さ」を基本テーマとする宝塚市立手塚記念
伊丹市立美術館 宮ノ前 072(772)7447
宝塚の情報誌ウィズたからづか

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