先日、阪急宝塚駅南出口から宝来橋に向かって歩いていると、ステンレス製の大きな立体作品が目にとまった。橋の袂のプレートを見て驚いた。なんと、マルタ・パンと刻まれていた。
さて、宝塚の宝来橋にある「枠どられた風景」は、内と外とを関連づける仕組みになっており、作品の内部から形成されるフォルムが外界との融合を生んでいる。また、抽象的なフォルムが、密接な関係を保っており、そのなかから見える向こうの空間を作品のなかに取り込んでいる。
さらに素材であるステンレス・スチールは鏡面的な表情も見せるので、求心的な性格と遠心的な性格が同居し、物質と精神の関係を緊密化させている。「枠どられた風景」は、動と静の両方を包含し、心理的な空間を宝来橋に造出している作品である。