鉄斎の画から宗教観を知ることができる。
近代文人画の巨匠といわれる鉄斎は仙境を始め人物、風俗など多彩なジャンルの水墨画を多様な技法で描き、その中には仏画も少なくありません。さまざまな経典を渉猟し、各地の高僧と親交を深め、寺院で拝観した仏像や仏画を写し、それらを源泉に多くの仏画を描いています。そして、仏教、儒教、道教が究極では一致するという思想を描いた三教図に鉄斎の宗教観を見ることができます。宗旨に偏ることなく広く神仏を敬仰した鉄斎の仏画が前期後期を通して約20点展示されます。ポスターに使用されている「聚沙為塔図」は法華経にある「沙(すな)を聚(あつめ)て塔を為す」という句に題材を得た作品で、子ども達が塔をつくる遊びがすでに仏教に通じていることを説いた画といえます。また、89歳の作品「普陀落山観世音菩薩像」は荒々しい岩場の洞窟に座する、白衣のやさしい観音の静かなたたずまいが荘厳な雰囲気を漂わせている鉄斎ならではの仏画です。
「鉄斎の仏画」
会 期 10月1日(金)~12日19日(日)
会 場 鉄斎美術館別館史料館(入館無料)
開館時間 9時30分~16時30分
休館日 水曜日
※会期・開館時間は変更となる場合があります。
詳しくは美術館ホームページをご覧ください。