蓬莱山の山号額が掲げられた山門をくぐると右手には宝塚市の天然記念物になっている樹齢700年の大銀杏。先ずは手を清めて、狛犬と布袋さんが迎えてくれる天堂へ、拝殿に手を合せお参り(一礼三拍手一礼)。元旦や春の大祭では大般若経600巻を転読する法要が執り行われるところで、天井には歌舞伎俳優さんらが奉納した吊灯篭が見える。星野さんが最初に再発見したのは拝殿裏にある神殿造りの護法堂(本社)の荒神影向の榊。当山開創の際、榊に荒神尊の姿が現れたと伝えられ、いつの頃からかお賽銭が投げられるようになったそうだ。お賽銭を拾うとご利益が得られるとあって棒でかき集めてみた。厄除火箸がうず高く積まれている納所と修験道の開祖・役行者が祀られている祠の前を通って、御守りや御札を授けてくれる眷属堂へ。お堂の中央には荒神尊のお仕え(眷属)である布袋尊がちゃんと祀られている。
続いて天堂から階段を上り、見晴らしのいい場所にある宝稲荷社をお参りして少し下ると大日如来を祀る本堂。ここは清荒神社と清澄寺が共存していて、日本古来の信仰である神仏習合の聖地。星野さんは本堂脇にある賓頭蘆(びんずる)尊者像に注目。十六羅漢の第一で涅槃に入らず人々を救済したことから、体の悪いところを撫でれば病が癒えると信仰されてきた。つるつるなのは大勢の参拝者に撫でられているから、とか。
境内には、山からの湧水を掛け一つだけ願いを懸ける一願地蔵や真言密教を伝えた弘法大師・空海の修行大師像があり、お参りの人が絶えない。さらに奥に向かうと龍王滝。目を凝らすと岩壁には邪気を払う不動明王が現れ、神聖な空気が漂う。そんな「パワースポット」を再発見し、ありがたい気分に。
鉄斎美術館別館史料館で開催されている「鉄斎と七福神」展でも長寿だった鉄斎からパワーをいただいた。年の初めに、霊験あらたかな清荒神清澄寺を訪れ、自分のパワースポットを探してみてはいかがでしょう。
▲四季折々の自然が味わえる清荒神清澄寺。春は桜、秋は紅葉の下でお茶会が開かれる。参道のお店を覗くのも楽しい。
▲湧水を掛け、一つだけ願い事をすると叶うといわれる。
▲荒神影向の榊から頂いたお賽銭を大切にしているとご利益が。次に来た時には倍返しを。
▲龍王滝の左側に不動明王が。神聖な空気に心が洗われる。
一昨年リニューアルした売店と無料休憩所。「清神饅頭」はあっさりとした美味しさ。