令和6年の年初は初詣、初三宝荒神大祭、荒神星祭(大福火)で賑わった清荒神清澄寺。 2月24日は宝稲荷社での二の午祭、3月15日は境内の講堂で涅槃会の法要があり、参詣者には法話と供物が授けられます。
五穀豊穣をつかさどる神の使いとして狐を祀る稲荷社
清荒神清澄寺の境内には本堂に向かって左手に宝稲荷社があり、毎年2月の二の午の日に宝稲荷社の前で二の午祭が行われます。今年の初午は2月12日で二の午が24日になります。稲荷社の本社は京都伏見稲荷神社で、稲の神「御饌神」が午の日に降臨したとされ、五穀豊穣を祈願したことが起源とされています。清荒神清澄寺の宝稲荷では午後2時より寺内僧侶による法要が行われ、参詣者への法話のあと供物が授与されます。
境内の講堂では涅槃図が一般に特別公開
お釈迦様が入滅した3月15日に涅槃図の前で執り行われる法要を涅槃会といい、仏教の三大法会のひとつとされています。
三大法会とはお釈迦様が誕生した4月8日の仏生会(花まつり)と悟りを開き仏陀となられた12月8日の成道会と涅槃会です。お釈迦様は巡礼の道中、クシナガルで倒れ、沙羅双樹の下に横たわり涅槃に入られました。その様子を描いたのが涅槃図で、頭を北に横たわる釈迦尊が大きく描かれ、周りには十大弟子や諸菩薩に加え庶民、動物、虫までもが集まり釈迦の入滅を悲しみ嘆く姿が描かれています。仏教美術としても価値ある作品であり、涅槃会に併せ公開されますが、清荒神清澄寺では3月13日~15日の午前10時~午後4時に講堂にて拝見することができます。涅槃図の前で釈迦尊の遺徳を偲び祈りを捧げましょう。法要は15日の午前11時から執り行われ、小法話の後、供物授与となります。
宝稲荷社の前で執り行われる二の午祭で法話を聞く参拝者
釈迦尊入滅が描かれた涅槃図。釈迦は沙羅双樹の間に、頭を北に西を向き右脇を下にして横たわり、その周りを諸菩薩、弟子のほか鳥獣までが取り囲み、深い悲しみに暮れている様子が描かれている。「涅槃経」は入滅の様子が記された経典
涅槃会の法要の様子
富岡鉄斎没後100年記念「鉄斎の九十歳落款」
会期 4月4日(木)~7月9日(火)
会場 鉄斎美術館別館「史料館」無料