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閉経後の不正出血

 日々、接する患者さんの訴えの中で最も多いものの一つに不正出血があげられます。不正出血と言っても出血の色や量、そして年齢層によってさまざまで、原因となる疾患も多岐にわたります。今回は閉経後から高齢者の方にみられる不正出血についてご説明しましょう。
 高齢者の場合、ホルモンによる影響が原因の機能性出血はまれで、腫瘍や炎症、外傷による子宮や膣の組織の病変が原因の器質性出血がほとんどです。一番多いケースは萎縮性膣炎による出血です。これは女性ホルモンの分泌低下により、膣の潤いがなくなり、外陰部や膣が乾燥・萎縮して、雑菌が繁殖するために起こる炎症で、軽いホルモン剤投与により軽快します。
 高齢者の場合、お薬による不正出血も考えられます。精神・神経科のお薬や狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、高血圧などで処方される血液をさらさらにするお薬を飲んでいると出血しやすくなることがあります。受診される際は、現在、服用されているお薬を必ず伝えるようにしてください。
 閉経後の不正出血で最も心配なのが子宮体癌です。子宮体癌は近年、年齢に関係なく増加傾向にあります。出産経験の少ない方、高血圧や糖尿病のある方、肥満の方などは体癌のリスクが高まりますので心配な場合はお早めに受診してください。体癌も早期発見がカギですので、閉経後も検診を定期的に受けるようにしましょう。なお、検診などで、子宮癌の検査というと子宮頸癌のみの検査の場合もありますので注意してください。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生
奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
http://www6.ocn.ne.jp/~gyn/
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