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性器ヘルペス

 性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルスが原因の性感染症です。主に性交で感染し、感染後、3~7日で外陰部や膣にチクチクした痛みとともに小さな水泡(水ぶくれ)ができ、それが破れてじくじくした潰瘍に変化します。この状態が2週間ほど続きます。

 初感染時は、外陰部の強い痛みとともに38.0~39.0℃の発熱や頭痛、倦怠感などを伴うこともあり、痛みから排尿や歩行が困難になるケースも見受けられます。ヘルペスは一度、感染すると一生涯その宿主に潜んで、抵抗力が低下した時に再発するという特徴があり、一旦、症状が治まっても、月経、疲労、飲酒、抗生物質の服用後など抵抗力の低下した時に再発します。再発時は初感染と比べると症状は軽く、潰瘍や痛みもさほど長くは続きません。

 女性ではクラミジアについで多い性感染症で、当院では幅広い年齢層で増加傾向にあります。ヘルペスウイルスの感染力は非常に強いので、患部に触れてしまったらすぐに水で洗い流すようにします。そして症状の出ている時、および初感染から約3ヶ月間は性交を控えるようにしましょう。とはいえ、感染していても本人が気づいていない場合も多く、知らないうちにパートナーに感染している場合もあります。

 治療はウイルスの増殖をおさえるお薬を使います。そのためウイルスの少ない発症初期に用いるほうが効果的です。あてはまる症状があればお早めに婦人科・皮膚科などを受診して下さい。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生 奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
http://www6.ocn.ne.jp/~gyn/
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