厚生労働省が行っている最近の国民生活基礎調査によると、女性が訴える身体の不調のうち、1番にあげられるのが「肩こり」です(ちなみに2番が腰痛、3番が手足や関節の痛みとなっています)。実際、日々の診療でも若年層から年配の方までの女性の共通した訴えであると感じさせられます。
近年はオフィスや家庭で、パソコンを使う頻度が多くなっており、姿勢の悪さやキーボード操作時の疲労などもひとつの要因でしょう。このほか、ストレスからくる精神的なもの、目の疲れからくるもの、内臓からくるもの、生理中にひどくなるものなど肩こりの原因は一概に特定しにくく、もちろんいろいろな要因が重なっていることも考えられます。これほど代表的な訴えでありながら、肩こりで受診するのは気が引ける・・・、何科を受診してよいのかわからない、とひどくなるまで我慢していたというお話も耳にします。
痛みが続いたり、日増しに悪くなってゆく場合、またしびれ・頭痛・吐き気など他の症状が同時にみられるような場合、自己判断は厳禁です。また、マッサージや無理な体操やストレッチなども、症状をかえって悪化させる可能性もあります。「たかが肩こり」と放置せず、原因を知り、改善することが大切です。体質改善を兼ねた漢方薬でよくなる場合も多いですし、内臓の病気がしつこい肩こりの原因であったというケースもありますので、慢性的な肩こりでお悩みの方は一度かかりつけ医にご相談されてはいかがでしょう。