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低用量ピルについて

日本では1999年、低用量ピルが承認されました。通常、ピルといえば、避妊薬としてのイメージが先行するようですが、他にもいろいろな利点(副効用)があります。

若い世代には生理痛の軽減、生理不順や子宮内膜症の改善などに効果があることも徐々に知られてきたようですが、欧米ではかなり広く普及しているのに対し(ドイツ・フランスなどでは50〜60%)、日本での使用率はまだ2%弱にすぎません。日本ではまだまだホルモン剤に対して抵抗感が強いようですので、今回は生理にまつわるトラブル改善以外の副効用を紹介しましょう。

・良性卵巣腫瘍の減少
・子宮体ガンの予防
・卵巣がんの予防
・大腸がんの予防
・中高年女性の骨粗しょう症の予防
・関節リウマチの減少

と、このように、中高年女性の気になる病気の予防にも効果が認められています。問診と血圧測定など簡単な適性検査で始められますので、幅広い世代の健康維持に日本産婦人科学会もお勧めしています。

※低用量ピルは病気の治療を目的とした薬ではないため、健康保険は適用されません。費用は自費となりますので医院によって異なりますが一ヶ月約3,000円程度です。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生 奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
http://www6.ocn.ne.jp/~gyn/
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