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便秘

男性に比べて女性に便秘の訴えが多いのはなぜでしょうか。いくつか理由があげられますが、女性ホルモンのひとつである黄体ホルモンの影響で腸の蠕動運動が弱くなることとも一因です。黄体ホルモンは排卵後から月経の前までの時期、多く分泌されるホルモンで、特に月経前に便秘に悩まされる、と言う方はこの影響を受けているのかもしれませんね。

また、女性は男性に比べ、排便時に使うおなかの筋肉も弱いので、さらに便秘になりやすいといえます。その他、ダイエットなど個人の食生活によるところも大きいでしょう。加齢に伴う便秘も多くみられます。お腹の筋肉が弱まって腸の動きが悪くなる上に、毎日の運動不足が影響しているのかもしれません。また、持病のために飲んでいる薬の副作用で便秘となることも少なくありません。

便秘になると、排便に時間がかかったり苦痛を伴うのはもちろん、おなかが張ったり、痔になったりと、トラブルを引き起こす上に、腸内に悪玉菌が繁殖し、腐敗物質を作り出しますので、これがまた他の病気の原因となることもあります。便秘が続くと下剤や浣腸に頼る人も多いですが、いわゆる便秘薬を常用すると、排便反射が妨げられ、ますます便秘になるという悪循環に陥ります。便秘対策で最も大切なことは、規則正しい食習慣を心がけることです。意外と知られていないのが食物繊維さえ多くとればよいと思われがちですが、便の7〜8割が水分ですので、たっぷりの水とともにとらなくてはいけません。またダイエット中の方などは、生野菜にドレッシングをかけないなど、脂分を抑える傾向にありますが、便のすべりを良くするためには脂分も必要です。

まず、ご自分の食生活を見直した上で、それでも改善しない場合は漢方薬がお勧めです。慢性の便秘で下剤が合わない方にも緩やかな作用で、乱れた腸の働きを整え、正常な便通を取り戻すのに効果があります。ぜひお悩みの方は試して見られてはいかがでしょうか。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生 奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
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