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ホルモン補充療法(HRT)

更年期の症状については前号でご紹介しましたが、更年期障害の対処法にはさまざまなものがあります。その方の症状に合わせて、ホルモン補充療法(HRT)、自律神経調整薬、抗うつ薬、漢方薬などを使用するのが一般的です。
 HRTは低下したエストロゲンを補う根本的な薬物療法で、欧米において更年期以降の女性に広く普及しており、充実した更年期を過ごすのに非常に有効な手段です。そのうえ、閉経後にHRTを行うと骨量は増加、維持されますがHRTを行わないと骨量は低下するというデータがあり(表1)、骨粗しょう症の心配も少なくなるというメリットもあります。
 一方、HRTを長期にわたって行うと乳がんのリスクが高くなるという報告もありますので、定期的な検査は必ず受けるようにしてください。このたび、女性ホルモン剤として今までのホルモン剤より少量の新薬が発売されました。HRTを受けてみようと思われるかたは、まずはかかりつけの婦人科にご相談ください。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生 奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
http://www6.ocn.ne.jp/~gyn/
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