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夏バテ

この夏の猛暑の疲れがそろそろ出始める時季ですね。夏バテで食欲不振、だるさが取れないなど、体調の優れない方もおられることでしょう。最近の夏バテは夏の暑さだけが原因ではなく、冷房による冷えが原因となることも少なくありません。

 本来、人が急激な温度変化に対応できるのは5度以内といわれており、炎天下の外出先と冷えた部屋との出入りを繰り返すと、からだの温度調節機能が狂ってきます。その結果、肩こりや手足のしびれ・だるさ、むくみ、頭痛などの症状がひきおこされるのです。自宅では湿度をとるドライ(除湿)にするか、温度設定を外気との温度差5度以内となる25~28度にするよう気をつけましょう。

 夏は食欲もなくなりがちですが、だからといって冷たいものをとりすぎると、胃液が薄まり、消化機能が低下します。普段から温かいものを食べ、不足しがちなビタミンやミネラル、鉄分を補うため、肉やうなぎ、根菜類、にんにく、レバー、あさり、大豆、ひじきなどを摂取するよう心がけましょう。

 ゆるやかに作用する漢方薬も夏バテにはおすすめです。胃腸の調子がすぐれなかったり、だるさが取れない場合は「補中益気湯」を、汗がダラダラと出て、むくみがちなタイプは「防己黄耆湯」など、症状や体質に応じた漢方薬を試してみるのもひとつです。

 しばらく残暑は続きますが、ちょっとした心がけでこの夏を乗り切りましょう。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生 奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
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