この夏の猛暑の疲れがそろそろ出始める時季ですね。夏バテで食欲不振、だるさが取れないなど、体調の優れない方もおられることでしょう。最近の夏バテは夏の暑さだけが原因ではなく、冷房による冷えが原因となることも少なくありません。
本来、人が急激な温度変化に対応できるのは5度以内といわれており、炎天下の外出先と冷えた部屋との出入りを繰り返すと、からだの温度調節機能が狂ってきます。その結果、肩こりや手足のしびれ・だるさ、むくみ、頭痛などの症状がひきおこされるのです。自宅では湿度をとるドライ(除湿)にするか、温度設定を外気との温度差5度以内となる25~28度にするよう気をつけましょう。
夏は食欲もなくなりがちですが、だからといって冷たいものをとりすぎると、胃液が薄まり、消化機能が低下します。普段から温かいものを食べ、不足しがちなビタミンやミネラル、鉄分を補うため、肉やうなぎ、根菜類、にんにく、レバー、あさり、大豆、ひじきなどを摂取するよう心がけましょう。
ゆるやかに作用する漢方薬も夏バテにはおすすめです。胃腸の調子がすぐれなかったり、だるさが取れない場合は「補中益気湯」を、汗がダラダラと出て、むくみがちなタイプは「防己黄耆湯」など、症状や体質に応じた漢方薬を試してみるのもひとつです。
しばらく残暑は続きますが、ちょっとした心がけでこの夏を乗り切りましょう。