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子宮体がん

 子宮がんは発生する場所によって子宮頸がんと子宮体がんの2つの種類に分けられます。先月は子宮頸がんについてお話しました。今回は子宮体がんについてのお話です。

 子宮体がんは子宮内膜の粘膜にできるがんでホルモンバランスの異常が原因であると考えられています。月経のあるうちは子宮内膜の細胞にがんが発生しても剥がれ落ちるためがんに進行する確率が低いのですが、閉経後は内膜の増殖が続くため注意が必要です。罹患率は50歳~70歳が高く、また最近は食生活の欧米化やストレスなどにより年齢に関係なく増加傾向にあります。肥満や高血圧の方、出産したことのない方、閉経が遅かった方(53歳以上)なども子宮体がんにかかる確率が高くなります。当てはまる方は検診をかかさず受けるようにしましょう。
 また月経不順、無排卵なども子宮内膜が増殖し続けることになりますので将来、子宮体がんになる可能性があります。ホルモン剤を用いて規則正しい月経を起こすことをおすすめします。

 治療は外科療法、放射線療法、化学療法、ホルモン療法の4つの方法をがんの広がり具合や、妊娠の希望などに応じて組み合わせ(または単独で)行います。
 子宮体がんも他のがんと同様、早期発見が重要です。症状は不正出血、排尿痛、性交痛、下腹部の痛みなどが主なものです。特に閉経後に出血が見られる場合は婦人科を受診してください。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生 奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
http://www6.ocn.ne.jp/~gyn/
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