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子宮頸がん予防ワクチン

我が国でも昨年子宮頸がん予防ワクチンの承認がおり、ニュース・雑誌などで、このワクチンについて取り上げられることが多くなりました。子宮頸がんは20~30歳代の若い世代で死因のトップとなっていますが、この世代に多いHPV16、18による子宮頸がんはこのワクチンで予防できるようになったわけです。最近、このワクチンについてのお問い合わせが増えていますので、よくあるご質問についてお答えします。

●ワクチン接種の適齢期は?
 日本産婦人科医会では、接種推奨対象を11~45歳としています。

●接種のスケジュールは?
 初回、1ヶ月後、初回接種から6ヵ月後の合計3回の接種が必要です。3回接種することで十分な効き目が得られるため、きちんと最後まで接種することが重要です。

●費用は?
 3回で5万円前後です。

●若いうちは検診を受けなくても大丈夫?
 子宮頸がんは比較的若い女性に多く見られ、特に20~30代の女性に急増しています。子宮頸がんは若い女性の妊娠・出産を脅かし、尊い命を奪うがんです。若いときからきちんと検診を受けましょう。

●ワクチン接種すると一生、子宮頸がんになりませんか?
 このワクチンはHPV16、18の感染を少なくとも6~7年(20年間という推計報告もあります)に渡って予防する効果があると言われています。しかし、すべての発がん性HPVの感染を防ぐものではありませんので、ワクチン接種後も定期健診はかかさず受診してください。

●検診で異形成といわれました。このワクチンで治りますか?
 このワクチンは子宮頸がんの原因となるHPVの感染を予防するためのもので、残念ながら進行を遅らせたり、治療することはできませんが、現在HPVに感染しているとしても、今後自然に排除される可能性が高いです。次の感染を防ぐためにもワクチンを接種して予防しましょう。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生 奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
http://www6.ocn.ne.jp/~gyn/
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