トップページ > 2007年06月号 >女性の健康相談室

自律神経失調症

心身につらい症状があるのにいくら検査をしても「異常なし」という結果が出る場合があります。その場合、自律神経失調症が考えられます。この病気は女性に多く10歳代から20歳代の若い世代と更年期の世代によく見られます。

女性は思春期、妊娠・出産、更年期と一生、ホルモンの影響を受け続けるといっても過言ではありません。自律神経の中枢はホルモンの中枢と同じところにありホルモンのバランスの変化が自律神経系に影響を及ぼすため、ホルモンのバランスが不安定になると、それにつられて自律神経のバランスも不安定になってしまうのです。

症状は疲れやだるさ、のぼせなど全身的なものからめまい、頭痛、不眠など神経系のもの、動悸、息切れ、便秘、吐き気、食欲不振など多岐にわたっています。治療は症状に応じた薬を服用しますが複数の症状を持つ方には漢方療法、自律神経調整剤や精神安定剤を用いることもあります。また月経不順や更年期の女性にはピルやホルモン補充療法(HRT)でホルモンの調子を整えることでこれらの症状も同時に改善されることが多いものです。

春は季節の変化に伴い、体力が低下する時期です。それに加え、環境の変化などで様々なストレスを受ける時期でもあります。特に女性の体と心は密接に関わりあっていますので、些細なトラブルと放置せず、かかりつけ医にご相談されてはいかがでしょうか。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生
奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
http://www6.ocn.ne.jp/~gyn/
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