トップページ > 2007年01月号 >女性の健康相談室

カンジダ膣炎

カンジダ膣炎は女性の4人に3人が少なくとも1回は発症すると言われているほど、産婦人科領域では非常によく見られる疾患です。症状は感染の程度によって異なりますが、最も一般的なものは酒かすやカッテージチーズのようなおりものが増えてきて、外陰部にしみるようなかゆみや痛がゆいようなヒリヒリ感が起こってきます。

原因となるカンジダ菌は誰でも膣や口の中、胃腸などに持っている菌なのですが、通常は無害です。しかし、妊娠、抗生物質やステロイドの服用、肥満、糖尿病、月経などの原因でおりものの中の微生物のバランスが崩れると、カンジダ菌が異常増殖して発症します。また寝不足やストレス、病気などによって免疫力が低下した時にも発症しやすくなります。たまに男性のパートナーから性生活によって感染するケースも有りますが、その可能性はきわめてわずかです。

診断は膣分泌物をとり、顕微鏡でカンジダ菌が異常増殖していることをみることによって簡単に診断されます。治療は抗真菌剤の膣坐薬が一般的です。カンジダ膣炎と同時にカンジダ外陰炎も併発していることが多いため、抗真菌剤の塗り薬も同時に投与することがあります。

痒みについては薬局で購入可能な軟膏というものがありますが、これはカンジダに対して効果はありません。しばらくこの薬を塗ってみても治らないのでしたら、カンジダを疑って、婦人科にて適切な治療を受けましょう。

カンジダ膣炎は、再発しやすいので完治するまで気をゆるめず、3週間から4週間、根気良く治療を続けることが必要です。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生
奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
http://www6.ocn.ne.jp/~gyn/
宝塚の情報誌ウィズたからづか

ウィズたからづかの最新コンテンツ