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女性のうつ

 厚生労働省の調査によると女性のうつ病罹患率は男性の約2倍で、およそ10人にひとりがうつの経験者と言えます。女性は一生を通して月経、妊娠、更年期、閉経などホルモンバランスの変化があり、それによる心身への影響が大きな要因のひとつです。中でも40~60歳代の女性はホルモンの変化に加え、子どもの手が離れる時期でもあり、その喪失感や環境の変化、職場のストレスなどさまざまな要因が重なり、うつにかかりやすい年齢です。とりわけ更年期の女性は、エストロゲンの分泌不足から来る精神の不安定に悩まされることがあり、このことがさらに発病のリスクを高めているのです。

 うつ病の種類にはさまざまなものがあり、それによって治療法も異なります。それをみきわめて適切な治療を受けることが大切です。更年期のうつ症状は抗うつ薬よりむしろホルモン補充療法や漢方薬で軽快することが多いです。

 以前はうつ病というと偏見がつきまとったり、怠け症のように誤解されたりと受診しにくいイメージがあったかもしれませんが、ストレスの多い現代社会ではうつはますます増加傾向です。次に上げる症状が続くようなら症状が軽くても気軽に受診して、その対処法について相談してください。

□食欲がなく体重が減った。
□よく眠れない。
□やる気がでない。
□趣味が楽しくなくなった。
□簡単な作業ができない。
□簡単なことも迷って決められない。
□集中力が落ちた。
□あせったりイライラする。
□みんな私が悪い、と感じる。
□軽い注意や批判にショックを感じる。
□午後は気分が少し良くなる。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生
奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
http://www6.ocn.ne.jp/~gyn/
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