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低用量ピル

日本では1999年、低用量ピルが承認されました。通常、ピルといえば、避妊薬としてのイメージが先行するようですが、他にもいろいろな利点(副効用)があります。
 若い世代には生理痛の軽減、生理不順や子宮内膜症の改善などに効果があることも徐々に知られてきたようですが、欧米ではかなり広く普及しているのに対し、日本ではまだまだホルモン剤に対して抵抗感が強いのか、使用率はまだ3%ほどにすぎません。
 ピルは若い世代のものと思われている方も多いかもしれませんが、実は中高年世代が気になる左記のトラブルを予防したり、症状を軽減したりするメリットがあることがわかっています。
・子宮体がん、卵巣がんの予防
・子宮筋腫の予防
・更年期障害の軽減
・骨粗しょう症の予防
と、このように中高年になってリスクが高まる病気にも効果が認められています。問診と血圧測定など簡単な適性検査で始められますので、幅広い世代の健康維持に日本産婦人科学会もお勧めしています。
 ただし、低用量であっても副作用がまったくないわけではありませんので、専門医とご相談の上、服用してください。

※低用量ピルは病気の治療を目的とした薬ではないため、健康保険は適用されません。費用は自費となりますので医院によって異なりますが一ヶ月約3、000円程度です。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生
奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
http://www6.ocn.ne.jp/~gyn/
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