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女性のうつ

 この季節は日差しも温かく、心も軽やかになるというイメージが強いのですが、意外と春はうつになりやすい季節でもあります。というのも、春は家族の環境が変化する季節。加えて季節の変わり目でもあり、心身ともにストレスを受けやすい季節なのです。また、一日の中でも昼夜の温度差が大きいため体調を崩しやすく、体調の悪化からうつ状態になってしまうこともあります。

 女性のうつ病罹患率は男性の約2倍で、およそ10人にひとりがうつの経験者と言えます。女性は一生を通して月経、妊娠、更年期、閉経などホルモンバランスの変化があり、その変化が精神面にも影響を及ぼすため、うつで悩むかたが男性より多いのです。特に更年期の女性は、エストロゲンの分泌不足により精神状態が不安定になることがあり、このことがさらに発病のリスクを高めています。

 うつ病の種類にはさまざまなものがあり、それによって治療法も異なります。それを見きわめて適切な治療を受けることが大切です。更年期のうつ症状は抗うつ薬よりむしろホルモン補充療法や漢方薬で軽快することが多いです。

 うつ病は「心の風邪」ともいわれているように、誰でも、いつでも、かかる可能性のある病気です。ストレスの多い現代社会、うつはますます増加傾向です。症状が軽いうちにご相談ください。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生 奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
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