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子宮頸ガン検診

日本のガン検診受診率は、先進国の中で最低レベルです。

米国などでは減少傾向のガンの死亡者数が、日本では依然、増加しており、2人に1人近くがガンになり、3人に1人がガンで亡くなっています。

特に子宮頸ガンは早期発見し早期治療を行えば、完治の可能性も高まるため、健診が非常に有効なガンです。日本では子宮ガンのほとんどが頸ガンで、子宮の入り口に近いところにできるため発見しやすく、治療も比較的容易とされています。子宮頸ガンの原因はHPV(ヒト・パピローマ・ウィルス)というウィルスの持続感染と考えられ、このウィルスは性交によって感染します。性交経験があれば、年齢に関係なく誰でもこのウィルスに感染している可能性があるので子宮頸ガンになる可能性があるわけです。

 頸ガンは、若年の性交・妊娠出産・多数の男性との性交・不潔な性行為などが発病の危険性を高める場合があります。一方、発病しても自覚症状が出にくいためほとんど無症状です。そのため、検診での早期発見が特に重要なガンのひとつと言われるのです。

 また子宮の奥のほうの子宮ガンを体ガンといいますが、体ガンは年齢に関係なく増加傾向にあります。不正出血や過多月経などの症状がありますが、閉経前後の生理不順と思って見過ごすことがあるので注意が必要です。

 子宮頸ガンは1,000円の自己負担*で市内の実施医療機関にて検診を受けることができます。今年度も該当の年齢者には子宮頸ガン検診無料クーポンが発給される予定です。閉経後も発症しますから閉経後も年に一度は定期的に検診を受けましょう。
*①市民税非課税世帯、②生活保護世帯、③70歳以上の人、④市国民健康保険加入者(被保険者証提示が必要)は無料です。①,②の方は健康センターでの手続きが必要となりますのでお問合わせ下さい。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生 奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
http://www6.ocn.ne.jp/~gyn/
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