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低容量ピル

  女性は男性よりも平均寿命が長いことはよく知られていますが、原因のひとつに女性ホルモンの存在があります。女性ホルモンには2種類あり、ひとつは月経から排卵の間に多く出るエストロゲン。もうひとつは排卵のあとに多くなるプロゲステロン。そしてこれらを最初からバランスよく組み合わせた薬がピルで、避妊のために使われます。

 ピルにはたくさんのメリットがあります。たとえば、子育てや仕事に忙しい世代もピルを服用すると月経量が少なくなり、貧血になりにくくなります。そしてホルモンが安定するので気分や体調も安定し、生活の質も向上します。また、更年期症状にも効果を発揮します。40代前半からは女性ホルモンの分泌が減ってくる人が増えてきます。それが様々な不調を招くことになります。そんなときには低用量ピルで不足している女性ホルモンを補い、ホルモンのバランスを整えると症状が楽になります。閉経までは低用量ピルを使って、閉経からはホルモン補充療法に移行していけば、更年期の症状は出ても軽度で済むでしょう。

 低容量ピルは副作用もほとんどなく、安全性も高いものです。月経痛などは我慢するもの、と思われてきた方も、一度試してみるといいかもしれません。

 避妊薬としてのピルは自費扱いとなります。平成22年から月経困難症の薬として一部のピルは保険が効くようになりました。処方は医師が行いますので、お近くの婦人科にご相談ください。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生 奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
http://www6.ocn.ne.jp/~gyn/
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