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カンジダ膣炎

 夏本番を迎えました。今回は夏にかかりやすい「カンジダ膣炎」を取り上げます。カンジダ膣炎とはカンジダ菌(カビの一種)が原因で起こる病気。高温多湿のこの季節、いたるところでカビが生えやすくなりますが、カビが原因のカンジダ膣炎も夏に増える傾向があります。

 もともとカンジダ菌は人間の腸内や皮膚にいる常在菌で、人間が健康なときには何も問題を起こしません。ところが、何かがきっかけで免疫力が落ちたり、膣粘膜の状態が悪くなったりすると急激に増えて、かゆみや炎症を引き起こします。

 例えば、抗生物質を服用した後、一時的に膣内の善玉菌が減ってしまったりすると、それまで抑えられていたカンジダ菌が増えて症状を引き起こします。また、過労時や妊娠中の方、ステロイド内服している方、糖尿病等があり体の抵抗力が低下している方なども、発症のリスクが高くなります。

 典型的な症状は激しいかゆみと白いポロポロとしたおりものです。患者さんの多くが、かゆみがあるために外陰部を石鹸で洗ってしまうのですが、症状を悪化させますので石鹸での洗浄には注意してください。

 初期の段階で適切な診断と治療を受ければ、あっさり症状が改善することがほとんどです。カンジダ膣炎に感染すると、膣の中の常在菌バランスが崩れているため、クラミジアなど、ほかの病気のリスクも高まります。がまんせずに早めに受診してください。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生 奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
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