トップページ > 2013年04月号 >女性の健康相談室

過活動膀胱

 以前はあまり知られていなかった「過活動膀胱」。最近では、テレビのCMでも良く見るようになったので、それなりに認知度上がってきたのではないかと思います。これまでは「トイレが近い」「急にトイレに行きたくなり我慢ができない」などの悩みを相談できずに諦めていた方が「ひょっとして私も?」と来院されるケースも増えてきています。

 実際、40歳以上の男女の8人に1人が、過活動膀胱の症状をもっていることが、最近の調査でわかりました。下のグラフに示したとおり、年齢を重ねるほどに罹患率は上がっていきます。

 人がトイレへ行く回数は、日中で5~7回、寝ている間は0回が正常と言われています。日中8回以上トイレに行き、夜間も1回以上おしっこに起きるようなら、過活動膀胱の可能性があります。「トイレが近いのは身体が冷えているから」「歳のせい」と自己判断せずに一度、受診することをお勧めします。

 似たような症状があっても他の疾患―たとえば膀胱癌、膀胱炎、膀胱結石などであるケースもあります。これらの中には生命にかかわる重大なものもあるため、慎重に見極めなければなりません。仮に過活動膀胱と診断されて治療をはじめても症状が良くならないときは、他の疾患であるかもしれないので注意が必要です。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生 奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
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