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夏バテ

 今年は節電の夏ということで、エアコンを控えたり設定温度を上げたりと、いつになく暑い夏をお過ごしかもしれません。今回のテーマは「夏バテ」です。

 夏バテとは体温を一定に保とうとして必要以上のエネルギーを消費し、食欲不振や倦怠感などの症状を起こしてしまうことを言います。夏は室内、室外の温度差が大きいので、体温調節のため自律神経が活発に働きます。あまりにこれを繰り返すと自律神経が乱れて体温調節ができなくなり、いわゆる夏バテや冷えを引き起こすのです。

 さて、夏バテ予防には水分補給と栄養バランスのとれた食生活が欠かせません。毎日暑いと、水分を過剰に摂りがちですが、冷たい飲み物を一度に飲むよりもコップ一杯を何回かに分けて飲むように心がけましょう。また、食生活面では、糖の代謝を高めるビタミンB1(豚肉、納豆、大豆、ゴマなど)を毎日摂りましょう。ビタミンB1は一定量以上吸収されにくいので、吸収しやすくするアリシン(ニンニクやネギ、ニラなど)と共に摂ると効果的です。また、疲労の原因である乳酸の排出を促すのがクエン酸、つまり梅干しや酢、柑橘類などです。これら3つの栄養素を組み合わせることで疲労が回復しやすくなります。

 この夏は自宅のリビングだけでなく公共機関、交通機関なども設定温度が高めですので、日中、大きな温度差がありません。例年より夏バテが軽いと感じられるかたがいらっしゃったら、節電の思わぬ恩恵と言えるかもしれませんね。もうしばらく続く残暑、食生活の工夫で乗り切りましょう。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生 奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
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