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花 粉 症

 そろそろ今年も花粉が気になる季節がやってきました。スギ花粉の飛散量は、前年の夏の天候(日照時間、最高気温、降水量)との関連があると言われています。昨年は夏らしく暑い日が多くなりましたが、猛暑となった一昨年よりも晴れた日は少なく、花粉の発生源となる雄花の生育は抑えられる条件となりました。また、花粉が多く飛散した翌年は飛散量が少なくなったり(ウラ年)、少なく飛散した翌年は飛散量が多くなったり(オモテ年)と交互に増減する傾向があり、2012年はウラ年にあたります。これらを総合すると近畿の今年のスギ花粉飛散量は昨年の40~50%となりそうです。 

 花粉の飛散量が少ない年は対策をしっかりすれば、比較的、楽に過ごせるでしょう。2月以降は徐々に飛散量が増えていくので、早めの予防が大切です。症状が出てから抗アレルギー剤やステロイドを使うより症状の出る前に予防的に飲んでおいたほうが症状の出現も遅く、また軽くすみます。結果としてシーズンを通して使用するお薬の量も少なくおさえられます。一昔前の抗アレルギー薬は眠くなったり口が渇いたりと副作用がありましたが、今のお薬はそのような副作用も改善されています。

 また、花粉症用マスクなど手軽にできる対策もお忘れなく。鼻の粘膜についた花粉の数を比較した実験によると、普通のマスクをしたときではマスクをしないときの約3分の1、花粉症用マスクでは約6分の1という結果が出たそうです。

 早めの予防で花粉のつらい時期を乗り切りましょう。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生
奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
http://www6.ocn.ne.jp/~gyn/
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