トップページ > 2016年10月号 >女性の健康相談室

カンジダ膣炎

 この夏は異常とも感じる猛暑でしたが夏バテなどされていませんか。夏の疲れで体の抵
抗力は落ちたりしますが、この高温多湿が菌にとっては好ましい環境で、カンジダ菌も例
外ではありません。カンジダ菌は誰でも膣や口の中、胃腸などに持っている菌で、通常は
無害です。しかし、妊娠、抗生物質やステロイドの服用、肥満、糖尿病、月経などの要因
やおりものの中の微生物のバランスが崩れたりした場合に、異常増殖します。今回はこの
カンジダ菌によるトラブル、カンジダ膣炎について取り上げます。

 カンジダ膣炎は誰でもかかる可能性がある、婦人科では非常によくみられる疾患です。
症状は感染の程度によって異なりますが、最も一般的なものは酒かすやチーズのようなお
りものが増えてきて、外陰部にしみるようなかゆみやヒリヒリ感が起こってきます。
 診断は膣分泌物をとり、顕微鏡でカンジダ菌が異常増殖していることをみることによっ
て簡単に診断されます。治療は抗真菌剤の膣坐薬が一般的です。カンジダ膣炎と同時にカ
ンジダ外陰炎も併発していることが多いため、抗真菌剤の塗り薬も同時に投与することが
あります。

 カンジダ膣炎は、再発しやすいので完治するまで気をゆるめず、1週間から2週間、根
気良く治療を続けることが必要です。また、再発を防ぐには普段から通気性の良い下着を
着用し、患部をアルカリ性石けんなどで過剰に洗わないようにすることです。そして十分
な睡眠時間と質のよい睡眠を心がけ、栄養バランスのよい食生活を送りましょう。


大西泰彦(おおにしやすひこ)先生 奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
http://www6.ocn.ne.jp/~gyn/
宝塚の情報誌ウィズたからづか

ウィズたからづかの最新コンテンツ