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夏の「むくみ」と「冷え」

この季節、むくみが気になるかた、多いのではないでしょうか。むくみとは、余分な水分が溜まっている状態です。暑いさなか、熱中症予防のためにもこまめな水分補給を、とよく言われます。それなのに、体に余分な水分が溜まっている状態というのは、混乱してしまいますね。

 この季節のむくみ、実は冷えが一因となっていることが多いのです。外はうだるような暑さが続いていますが、屋内に入ると、寒いくらいに冷房が効いている場所が多いですね。その上、冷たいものを飲む(食べる)機会も多いため、私たちの体は外気温とは逆に意外と冷えています。「冷え」とは、体の隅々まで温かい血液が行き届いていない状態です。つまり、血液循環がスムーズではないため、水分代謝も滞ってしまうのです。もともと女性は男性より筋肉が少ないので基礎代謝も少なく、血液も手足から心臓に戻りにくいため、むくみやすい傾向があります。

 さて、日常生活で心がけるポイントですが、まず余分な塩分と水分を排出することが重要となります。そのため、日々の食事ではカリウムや(昆布、キュウリ、リンゴ、海苔、バナナなど)やビタミンB群(豚肉、豆腐、あずき、かぼちゃなど)を多く含む食品を摂るように心がけてください。夏は塩からいものが欲しくなりますが、塩分の摂りすぎにも注意しましょう。塩に含まれるナトリウムはまさにむくみを引き起こす原因です。そして、寝る前には湯船につかり、身体を温めるとよいでしょう。

 また、ゆるやかな体質改善も兼ねて漢方薬による治療もおすすめします。漢方薬で、女性のむくみや肥満におすすめなのが、防風通聖散、防已黄耆湯、五苓散、牛車腎気丸などです。漢方薬はそれぞれの体質に合わせて処方することが大切ですので、専門家に相談してご自分にあったものを選んでください。

 また、心臓病、腎臓病、薬の影響でむくみが出ることもありますので、ひどい症状が続く場合はかかりつけ医に相談してください。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生 奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
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