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花粉症

 スギ花粉の飛散量は、前年の夏の天候(日照時間、最高気温、降水量)と関連があると言われています。近畿地方では昨夏、台風の影響で広い範囲で天気が崩れ、8月下旬の気温は平年より大幅に下回りました。そのため、スギ・ヒノキの生育には不向きな天候で飛散量は平年未満、昨年より少し多い程度のようです。ただ、昨シーズンに比べるとスギ花粉の飛散が1~2週間早く始まる見通しで、兵庫県南部は2月中旬から始まるとの予報です。その後1週間~10日程で本格的な花粉シーズンとなり、3月中旬にスギ花粉のピークとなります。

 スギ花粉は飛散開始前から、わずかな量が飛び始めますので、早めの予防が大切です。症状が出てから抗アレルギー剤やステロイド剤を使うより症状の出る前に予防的に飲んでおいたほうが症状の出現も遅く、また軽くすみます。結果としてシーズンを通して使用するお薬の量も少なくおさえられます。一昔前の抗アレルギー薬は眠くなったり口が渇いたりと副作用がありましたが、今のお薬はそのような副作用も改善されています。

 また、花粉症用マスクなど手軽にできる対策もお忘れなく。鼻の粘膜についた花粉の数を比較した実験によると、普通のマスクをしたときではマスクをしないときの約3分の1、花粉症用マスクでは約6分の1という結果が出たそうです。また、ポリフェノールや乳酸菌が含まれる食品を摂るのも効果的と言われています。

 早めの予防で花粉のつらい時期を乗り切りましょう。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生 奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
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