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花粉症

 スギ花粉の飛散量は、前年の夏の天候(日照時間、最高気温、降水量)と関連があると言われています。近畿の2016年の夏は、全国的に気温が高く、日照時間も長かったため、高温・多照などの花芽が多く形成される気象条件がそろったわけです。そのため花粉の飛散数は例年を上回り、少なかった昨年と比較すると約三倍の予想です。飛散開始時期は兵庫県南部については2月中旬から始まるとの予報です。その後本格的な花粉シーズンとなり、3月初~中旬にスギ花粉のピークとなります。

 スギ花粉は飛散開始前から、わずかな量が飛び始めますので、早めの予防が大切です。症状が出てから抗アレルギー剤やステロイド剤を使うより症状の出る前に予防的に飲んでおいたほうが症状の出現も遅く、また軽くすみます。結果としてシーズンを通して使用するお薬の量も少なくおさえられます。一昔前の抗アレルギー薬は眠くなったり口が渇いたりと副作用がありましたが、今のお薬はそのような副作用も改善されています。

 また、花粉症用マスクなど手軽にできる対策もお忘れなく。鼻の粘膜についた花粉の数を比較した実験によると、普通のマスクをしたときではマスクをしないときの約3分の1、花粉症用マスクでは約6分の1という結果が出たそうです。また、ポリフェノールや乳酸菌が含まれる食品を摂るのも効果的と言われています。

 早めの予防で花粉のつらい時期を乗り切りましょう。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生 奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
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