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早発閉経・遅発閉経

 日本人女性の閉経は平均50歳と言われています。閉経は卵巣の働きがなくなると起こる現象ですから個人差がありますが、大半の方が45歳から55歳で閉経を迎えます。この時期より早い早発閉経、遅い遅発閉経について今回は取り上げます。
 早発閉経は、30~40代前半の女性に起こる症状で、特に35歳以降に多いといわれています。原因はほとんど不明ですが、遺伝的なもの、自己免疫疾患なども考えられます。身近な親戚などに、30代で閉経した人がいる場合、遺伝の可能性が高くなります。卵巣機能は回復しないため、今後の長い人生を考えた場合、女性ホルモンの欠乏を補うホルモン補充療法が適応と考えられます。産婦人科を受診して投薬を受けて下さい。30歳代の早発閉経の方で、妊娠を望まれることもありますが、排卵誘発剤に対して卵巣は不応性のことが多く、妊娠率はかなり低いと言わざるをえないでしょう。最近では20歳代から30歳代に卵巣嚢腫(特にチョコレート嚢腫)の手術をおこなって、その数年後月経が不順となり止まってしまうという経過で早発閉経と診断される患者さんも増えてきています。
 一方、55歳以降になって閉経する場合を遅発閉経と呼びます。子宮筋腫などで貧血を伴う場合以外は特に治療はいりません。女性ホルモンの作用が持続しているので、骨粗鬆症などの可能性は低く、一見QOL(生活の質)は良いように思われますが、ホルモン依存性の悪性腫瘍の発生には注意が必要です。生殖機能にかかわる女性ホルモンには乳がんの増殖を促す作用があり、分泌期間が長いと発症しやすくなります。子宮体癌・卵巣癌の危険因子としても遅発閉経が挙げられているので、少なくとも年1回程度の定期検診は欠かさず受けましょう。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生 奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
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