清荒神清澄寺の境内にある鉄斎美術館別館史料館では5月3日まで、「鉄斎―筆墨の妙―」展が開催され、水墨の作品と共に墨筆紙癖を自任する鉄斎愛蔵の文房具などが展示されています。中央図書館の「聖光文庫」で5月8日まで開催されている「富岡鉄斎の画室と愛蔵品」展でも鉄斎がこだわった愛蔵の品々を間近に見ることができます。
清荒神清澄寺の境内にある鉄斎美術館「聖光殿」は近代文人画の巨匠と言われる富岡鉄斎の作品や旧蔵品など約2000点を所蔵することで知られています。また、清荒神駅前の宝塚市立中央図書館内にある美術館縁の「聖光文庫」では鉄斎のこだわりが込められた愛蔵品の他、鉄斎旧蔵の作品や資料などが画室の写真とともに紹介され、文人鉄斎の人となりに接することが出来ます。
鉄斎は明治15年、京都室町一条薬屋町に居を構え、数え89歳で没するまでの後半生をこの地で過ごし、多くの書画を制作しました。
明治44年に書庫「賜楓書楼」を、大正11年には鉄筋コンクリート三階建ての書庫「魁星閣」を敷地内に落成、鉄斎・謙蔵父子が蒐集した万巻の書物が収められました。同年暮れには新たな画室兼居室「無量寿仏堂」も完成します。
「聖光文庫」では、画室の襖絵であった冷泉為恭筆による『善無畏・一行図』や西園寺公望が揮毫した扁額『無量寿仏堂書』を中心に、鉄斎愛用の文房具・画材など貴重な品々が展示されています。
「富岡鉄斎の画室と愛蔵品」展を鑑賞し、文人の世界観を感じてみてはいかがでしょう。
画室「無量寿仏堂」の鉄斎・春子夫妻 大正11年
富岡鉄斎の画室と愛蔵品
会期 〜5月8日(日)
AM10:00~PM5:00
入場無料 水曜・第二金曜休館
宝塚市立中央図書館聖光文庫(阪急宝塚線清荒神駅前)
TEL 0797-84-6121