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子宮筋腫

 子宮筋腫とは子宮の筋肉にできるコブのことをいい、良性の腫瘍です。30歳以上の女性の約30~40%が持っているといわれ、特に珍しい病気ではありません。筋腫は女性ホルモンで促進されて大きくなるため、月経のある間は大きくなる可能性があります。症状は月経の量が多い、生理痛が強い、不正出血、腰痛、お腹の張りなどが一般的で、月経過多から起こる貧血、めまい、だるさ、動悸(心臓がドキドキする)といった症状も見られます。

 子宮筋腫は必ずしも治療が必要なわけではなく、これらの症状があまり無い場合は経過観察をする場合も多いです。とはいえ、気づかないうちに病状が進むと、治療の選択肢がより狭く、また身体に負担のかかる治療しか残されなくなる場合もありますので、3~6ヶ月ごとに受診し、定期的に画像診断(エコーなど)を受けることをお勧めします。また、月経量の増加やおりものの異常などの症状が出てきたら、検診を待たずに受診するようにしましょう。

 治療は対症療法(鎮痛剤、鉄剤投与など)、ホルモン療法、手術療法などから、筋腫の種類、状態に合った方法を、よく主治医と相談して選択します。閉経後であれば筋腫はほぼ大きくならないため、様子を見ながら自然退縮を待ちます。いずれにせよ筋腫のある人は定期的なチェックを受けるようにしましょう。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生
奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
http://www6.ocn.ne.jp/~gyn/
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