キリンの履歴 著者 戸井 敏敦

発行日  2025年2月6日
著 者  戸井敏敦
編集協力 宝塚出版㈱
印刷製本 あさひ高速印刷株式会社
A4判、12頁、カラー

西宮在住で83歳の戸井敏敦さんが、以前から関心を持っていた霊獣・キリンの歴史などを調べ、貴重な写真を収録した冊子「キリンの履歴」としてまとめ、昨年11月に原稿を完成し、今年の2月に発行した。

謎の霊獣・キリンを解き明かす糸口
キリンと聞けば動物園のキリンを思い浮かべるのが一般的だが、戸井さんが興味を持ち調査したのは霊獣のキリン。キリンビールのロゴマークは知られるが、その歴史や文化については殆ど知られていない。
兵庫県の温泉町あたりにはキリン獅子舞が伝わっているという。漢代の礼記には「仁のある為政者が現れると降り立つ聖なる獣」とあり、中国の歴代皇帝陵墓の参道にはキリンの像が飾られている、と記されている。明智光秀を主人公にしたNHKの大河ドラマのタイトル「麒麟がくる」は礼記から引用されたのだろう。
本冊子の内容は①霊獣としてのキリン、②神としてのキリン③様々な姿のキリン④日本に存在したと見られるキリン神の信仰、にわけられ、貴重なカラー写真が説明と共に掲載されている。
星座に親しんでいた戸井さんは、「キリンを中国語では祈琳とも書き、祈る星々の意味を持つことから星座と関係があるのでは、と調べ始めました」と話し、紀元前3000年の土器に神を表す赤で龍・キリン・北斗が動物の姿で描かれていたり、紀元前2000年頃の古代遺跡・石岇(せきぼう)遺跡からは霊獣などの彫刻が発見されていることから、キリンは殷以前の夏の時代には神として祭ごとに重要な位置を占めていたのではないか、と推測しているという。
年代不明の青銅器に表されている「トウテツ文(もん)」はキリンの像と思われ、青銅器の肩に刻まれた文字は漢文体ではなく日本語と同じ文体で、一年の祈りの様子が記されている。その中に「人々」という言葉が繰り返し出てくることに戸井さんは注目、キリンを神と祀る時代には民主的な政治が行われていたのではないかと考えているそうだ。
また、国内の遺跡から発掘された貴重な土偶や土器から、日本に存在したキリン神の信仰にも触れられている。神社の欄間にキリン像が彫られていたり、キリンを信奉していた武将徳川家康を祀る東照宮には多くのキリン像が彫られていることなど、一般に余り知られていないからこそ興味が掻き立てられる。
まだ、解明されていない霊獣・キリンへのロマン溢れる冊子が「キリンの履歴」といえるだろう。
※問い合わせ先:ウィズたからづか編集部

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