楽しい水彩画 ―水彩画入門― 著者 柿本 昇一

発行日  2023年5月11日
著 者  柿本 昇一
編集協力 ウィズたからづか編集部
印刷製本 あさひ高速印刷株式会社
A5判 並製本 オールカラー 38ページ

水彩画教室で12年間学んだ柿本昇一さんは、水彩画についての手引書が無いことに気づき、これから水彩画を始めたい人や更に上達したい人に向けて、長く水彩画を楽しんでもらおうと「楽しい水彩画―水彩画入門―」を発行した。

 柿本さんは「楽しい水彩画」の発行に併せて宝塚市立国際・文化センターで5月11日~16日、水彩画展を開いた。柿本さんにとって初めてとなる展示会には淡水彩画5点と水彩画25点が展示され、水彩画ファンらが訪れた。
 冊子「楽しい水彩画」はブルーの表紙に淡水彩画、水彩画、アクリルを使った水彩画の3種類の絵があしらわれ、表題の文字も「楽しい水彩画」にふさわしく、ページを繰りたくなってしまう。第1章は3種類の水彩画の違いが解説されている。2章では淡い水彩画について述べられているが、淡水彩画の描き方や注意点は既に述べられた手引書もあるそうだ。水彩画については書かれたものがあまり無く、3章では水彩画について柿本さん自らの分析で留意点やコツが示されている。柿本さんの風景画や静物画を例に解説し、使用した絵の具の種類なども詳しく書かれているので解りやすく、水彩画を描く人にとっては大いに参考になるだろう。
 最終章では後片付けについても「画用紙は捨てないこと。裏面も使えるし、高級な用紙であれば水か湯につけておき、ブラシで軽くこすれば、その上に水彩絵の具やアクリル絵の具を使った水彩画は描くことができる」とアドバイスも書かれ、また、最後には「アクリルを使えば展覧会などで油絵に十分対抗できるような迫力ある絵が描けます。反面、水彩画特有のやさしさ、繊細さを保つには淡水彩画が適しているのではないでしょうか。要は、何をどう描きたいかによって描き方が変わってくるでしょう」と結ばれている。2つの水彩画作品には自作の俳句が添えられ、柿本さんらしさが滲む仕上がりになっている。

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