発行日 平成26年8月
著 者 前島 淳
印刷・製本 あさひ高速印刷株式会社
四六判/204頁/ソフトカバー/私家本
落ち着いた緑の表紙にレトロな字体で記された題名は現代では馴染が薄くなってしまった熟語「蛙鳴」。前島淳さんはあとがきに「蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)という四字熟語があります。私が若い頃からあちこち書き散らした蛙鳴蝉噪の雑文を米寿記念にまとめる試みは、永年のロータリアンの仲間からの嬉しい助言で決まりました」と記している。
健筆家の前島さんは長年勤めた会社の社内報や大阪陸軍幼年学校、大阪高等学校の同窓会報など数々に執筆し、また大阪西ロータリークラブに所属、ロータリアンとしても50年史の編集に関わるなど、活字に遺した文章は50近くを数える。
そして、今年米寿を迎えるに当り、それらをまとめた本を出版、題名を「蛙鳴」とした。
最初の文章は尋常小学校1年と3年に大阪毎日新聞に掲載された絵と作文で、大切に保管されていた新聞の切り抜きが歴史を物語り、郷里和歌山のこと、自身の生い立ち、名古屋勤務10年、父親への追悼文、恩師のこと、中国古代史を巡る旅行記など前島さんの人生が垣間見られ、立派な自分史といえる一冊になっている。
また、世界各地を旅行した前島さんは、昭和42年(1967)の特殊鋼倶楽部のヨーロッパ視察から平成23年(2011)ロータリークラブ国際大会に参加したアメリカ旅行まで81回の外国旅行記録を巻末に収録、巻頭グラビアには旅行の写真も収められている。
8月18日にはロータリアン仲間が集い、前島さんの米寿と共に「蛙鳴」出版を祝う会が開かれた。