郷土を学び、守り、伝える 「御願塚ふるさとマップ」

発 行 
 平成22年5月
 御願塚史跡保存会
協 賛
 (財)尼信地域新興財団
印刷・製本
 あさひ高速印刷(株)
A2判 両面フルカラー

伊丹市の御願塚史跡保存会が、阪急稲野駅近くの御願塚古墳周辺を紹介する「御願塚ふるさとマップ」を4年がかりで作製した。イラストマップには古墳や神社やお寺、歳時記など地元の魅力が満載で、保存会メンバーの「ふるさとの歴史や文化を次世代に伝えたい」という思いが詰まっている。

伊丹市南部にある御願塚古墳は5世紀後半に築かれた帆立貝式の前方後円墳で、県の文化財に指定され、市民公募で決定した「いたみ八景」にも選ばれている。県の指定を受けた翌年の昭和42年に、地元住民でつくる御願塚史跡保存会が発足、その翌年には御願塚文化財愛護少年団が結成され、定期的に古墳周辺の清掃活動や濠の水質浄化に取り組んでいる。保存会では古墳まわりの環境整備のほか、他地域の古墳の見学会などの活動も行っているが、さらに進んで地域の文化財や郷土の歴史を伝えて街づくりを考えようと、イラストマップづくりを企画した。

 マップの作成委員6名は平成18年から打ち合わせを重ね、旧家での聞き取り調査から取り組み、市立博物館にも資料収集など協力を依頼、郷土愛の結晶としてマップがようやく完成。片面は実際に手にして歩く人に役立つようなコメントの入った手づくり感満載のイラストマップ、もう片面には古墳や地域の歴史、地名の由来などを写真入りで紹介している。毎年7月23日に須佐男神社で行われる湯立神楽など地元でもあまり知られてない行事もあり、「集めた莫大な資料をA2の誌面におさめる取捨選択に苦労しました」と御願塚史跡保存会の理事で文化財愛護少年団の代表も務める作成メンバーの福岡さんは語る。

 地域住民が声をあげ作成したイラストマップの反響は大きく、地元の住民だけではなく、街づくりの手本にと他の自治体からも問合せが多く寄せられている。A2判をハンディサイズに折ったイラストマップは協賛金として1部100円で配布中。11月にはマップ作りに関するシンポジウムも計画されている。

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