増谷裕久先生の長寿に寄せて 「人生馬駆けるが如く」 関西学院増谷会 編集

「人生馬駆けるが如く」
発行日 平成26年4月14日
編 集 関西学院増谷会
印刷・製本 あさひ高速印刷㈱
四六判 144頁 並製本

 戦後の昭和21年、関西学院専門学校高等商業学部専任講師となり、関西学院大学商学部教授を経て、62年に定年退職するまで約41年を関西学院とともに歩んだ増谷裕久氏が今年6月に96歳を迎えるのを記念し、同大学商学部増谷ゼミOB・OGが集う増谷会により、増谷氏の生い立ち、最終講義、対談などをまとめた「人生馬駆けるが如く」が発行された。

 関西学院大学商学部教授を長く務め、会計学会の最長老である増谷裕久氏の長寿を記念して制作された「人生馬駆けるが如く」は氏の午年に因んで表題が付けられ、表紙を開くと扉には駿馬の絵が添えられている。

 関西学院大学の最大ゼミで、1700名もの卒業生を社会に送り出した増谷ゼミの同窓生によって増谷会が結成され、1964年に増谷会第一回総会が開かれて以来、増谷氏を囲んで会員同士が親睦を深め、会計学会賞(太田賞)受賞記念、博士号受賞記念などには盛大な祝賀会が開かれ、近くは2010年に商学部の創立60周年を記念して、増谷氏と教え子で元関西学院大学学長、現在商学部教授・世界会計学会会長を務める平松一夫氏との対談も行なわれた。

 本書には教え子から「我らの増っさん」と慕われた増谷氏が語る関学商学部創立秘話や学園紛争当時、ユニークな厳しい指導法、スポーツと教育など興味深い内容の対談が収録されている他、増谷氏の最終講義「会計学 回顧と展望」、新聞や専門誌に掲載された記事、教え子からの寄稿文、そして氏の生い立ちを記した「幼少から関西学院高等商学部入学」「戦争を経て就職まで」が一冊にまとめられている。

 制作するにあたって、増谷会のメンバーにより出版委員会が結成され、月に1度のペースで編集会議を持ち、写真や資料を集め、対談や最終講義はDVDやテープから文章化し、生い立ちは増谷氏へのインタビュー取材をまとめ、数回のゲラ校正を重ね、約1年をかけて完成した。増谷氏の薫陶を受けた教え子による恩師を称える思いが伝わってくる一冊である。

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