発行日 2013年7月
撮 影 片岡 守
イラスト 片岡朋子
編 集 神吉正和/神吉史子
デザイン 関根デザイン
印 刷 あさひ高速印刷
製 本 ㈲大光製本所
上製本・化粧箱入り・235mm×295mm・68ページ
まだ見ぬ風景を探して、と副題が付けられた二作目の写真集「風の吹くまま」。鉄道好きの片岡さんが体調と相談しつつカメラを携え鉄道の旅に出、車窓から日本各地の風景を捉えた写真80点余が収められている。巻頭は栂池自然公園の岩の間にのぞく白い草花。「瑞々しく穏やかな日本の風景は四季折々に美しい」と言葉が添えられている。
戸隠高原のミズバショウ群生、白馬から望む北アルプス、夏の八方池、雪の長野電鉄湯田中駅付近、津軽の岩木山、津軽海峡、北海道釧網本線北浜駅、どれも見入ってしまう日本の美しい風景。特に海と雪は印象的だ。
前作で、東日本大震災で分断された東北の海岸線もいつかは訪ねたい、と書いた片岡さんは2011年に続いて12年も東北を旅し、3月17日全線開通した八戸線からも撮影、海岸に立てられた「ありがとうJR」の文字や三陸鉄道北リアス線の車窓から「瓦礫以外に何も無い」風景を捉えている。また、日本のあちこちで今も健気に走る路面電車も収録されていて、全国のJR、第三セクター、ローカル私鉄、路面電車を全国制覇した「乗り鉄」片岡さんの分身ともいえる作品集になっている。表紙は単線の美作滝尾駅、裏には小さなトンネルの写真があしらわれ、どんな電車が走るのだろうと想像が膨らむ。化粧箱には鉄道の駅や鉄橋、路面電車、そして片岡さんの似顔絵が優しいタッチで描かれている。大判になり風景がより迫力を持って表現されている第二集は、日本の景色とともに旅への思いが静かに熱く見る者の心に届く。