フラワーアレンジメント講習録
発行日:2023年 秋
発 行:シルヴェスターズ・フローラルアート研究会
編 集:シルヴェスターズ・フローラルアート教室卒業生
協 力:ウィズたからづか編集部
印刷・製本:あさひ高速印刷株式会社
B5判 60ページ カラー刷り(表紙細オリPP加工)
私家版
本冊子は多木氏が講習会で話された貴重な話しとその時のデモンストレーション、アレンジメントの実習、これまでのフラワーショーなどでの作品に加え多木氏を偲ぶ思い出の写真、そして「多木先生に寄せて」と綴られた卒業生の文章で構成され、多木氏に奉げるにふさわしい、心のこもった仕上がりになっている。
まえがきには「多木先生が伝えたいと思っておられたことや、先生が歩んでこられた時代の一端を知っていただければ・・・」と記されていて、多木氏の花に対する深い愛情と教えが込められている。
洋蘭栽培家であった多木氏が昭和の初め、洋蘭の研究でイギリスに渡り、日常生活の中に花を飾る文化が根付いているヨーロッパのフローラルアートを日本に持ち帰ったことや、アメリカから入ったフラワーデザインが普及し日本でも広がっていった歴史が紹介され、多木氏は「文化の上になりたったフローラルアートを私は頑なに信じている」と記されている。
フローラルアートの起源などが詳しく語られ興味深い。
デモンストレーションやアレンジメントの実習の章では、実際に使った花の名や生け方が掲載されている。
多木氏のアシスタントを務め、宝塚に教室を持つフラワーアーティストの原万里子さんと氏に18年間師事した福田敏子さんが綴った思い出やエピソードからは氏の教えや人柄の一端を知ることができる。
冊子の制作は文責の大西さんが古い写真と文章をPCに取り込み、ワードを使いレイアウトし、完全なデータを作成、印刷、製本は印刷会社によるが、アドバイスを得て、ほぼ手づくりで仕上げている。講習録は100年余りになる日本のフラワーアレンジメントの歴史を知る貴重な資料にもなっているのではないだろうか。