野の花とつむぐ   和の暮らし 著者 阪上 泰子

発行日   2011年10月18日
著 者   阪上泰子  撮 影 近藤茂實
印刷・製本 あさひ高速印刷
B5判   73ページ
定 価   3000円+税

 宝塚市口谷の自宅で、季節の野の花を自由に生ける教室「ルジュ・フルーリはな野」を17年間主宰している阪上泰子さんが、初めての作品集「野の花とつむぐ和の暮らし」を10月に発行した。美しく生けられた四季の草花を1年かけて撮影した作品集からは、自然に対する感謝の気持ちが伝わってくる。

  カワネコヤナギとアワジシマスイセンが優しい表情を見せる写真に、宝塚の書道家・和田秀蘭さんが題字を揮毫した「野の花とつむぐ和の暮らし」は、野の花を生ける花師・阪上泰子さんの作品集。
 草花の中で育ち、国内外の様々な生け花を学び、そして日本の野の花を自由に生けることに辿り着いた阪上さんは、17年前、型にとらわれない生け花教室「ルジュ・フルーリはな野」を開いた。周囲からの要望で、これまでの作品を写真集にしようとして、「過去ではなく、今の私が表現できる作品にすべきでは?」と考え、そんな時に出会った、デザイナー・西川美有紀さん、カメラマン・近藤茂實さんと意気投合。意見を出し合い、一つひとつ問題を解決しながら、阪上さんが生けた季節の草花を、1年間かけて近藤さんが撮影、全ページ、オールカラーの作品集が2011年10月に出来上がった。

 季節は「春のきざし」から始まり、まだ冷たい風や春の喜びが、ヤブツバキやスイセン、ツクシで表現されている。「夏のにおい」、「秋のけはい」と続き、最後の季節「冬のあしおと」の、お正月飾りから、古い瓦に生けられたハコベまで、全ての作品にストーリーが感じられる。豆炭あんかにキイチゴやエンドウが入った写真の横には、「納屋の奥から 昔を取り出し 今にもの申す なんてね」と、茶目っ気たっぷりのメッセージが添えられている。

 野の花だけでなく、巻末には、コンサートホールやギャラリー、教会などに生けられた、これまでの華やかな作品も見ることができる。

 発行の翌週には、宝塚文化創造館(宝塚音楽学校旧校舎)で、出版記念パーティーを開催。「多くの皆さんに助けていただき、作品集を出すことができました。野の花を綺麗に飾ることで、自然への恩返しをしたい」と、阪上さんは語った。

 風と草花の会話が聞こえる作品集、「野の花とつむぐ和の暮らし」は、紀伊國屋書店川西店、キャップ書店逆瀬川店でも購入することができる。

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