発 行:令和3年11月9日
著 者:杉本 維平(吟号 光維)
発行者:杉本 和子
印刷・製本:あさひ高速印刷株式会社
A5版 ソフトカバー 132ページ
オールカラー 非売品
平成7年、漢詩勉強会・有隣社を主宰する田中光風氏との出会いがあり、漢詩を始めた維平氏。自身の漢詩をパソコンでデータ化し管理していたが、生前に冊子の形にすることはなく、多くの漢詩がデータのまま残された。その中には、在住の地、宝塚の四季折々の自然や風景、名所旧跡、行事なども詠まれていた。
「漢詩紀行(二)」は宝塚に関わる漢詩を集め、「宝塚の四季・春夏秋冬」、「宝塚との交流」「宝塚の古文書を読む会」などに分けられ、写真を添えてまとめられている。
春には、淡墨桜の美しい鉄斎美術館での「觀鐵齋展」や西谷の「訪寶塚長谷牡丹園」、趣のある風景を詠んだ「春日聽雨」… 夏は山本から満願寺へ至る途中の滝「觀最明寺飛泉」、夏の風物詩だった宝塚花火大会「江上煙火」… 秋は中山寺境内の菊馨る「文化日有感」、「茶會即事」「觀月」… 冬はマンサクを詠んだ「新春偶成」、中山寺から売布神社、清荒神を巡った初詣「守歳偶成」… など「宝塚の四季」には60編が収録され、最後に律詩(近代詩)4編を加え、全105編が「漢詩紀行(ニ)」には収められた。
出版用に原稿を修正し、A5判の冊子として発行した和子さんはあとがきに「難解と思われる漢詩も、何度も詠んでいると、思いが走馬灯のように次々とあふれ出てきます。遺された漢詩は夫と私、二人の楽しみとして大切にしていきたい」と綴っている。