京都万華鏡 ~昭和ロマン編~

発行日 2015年9月1日
著 者 柴田敦姫
発行者 岡達也
発行所 あさひ高速印刷㈱出版部
印刷・製本 あさひ高速印刷㈱

9月22日から開催される「柴田敦子 洋画展」に合せ、上梓された「京都万華鏡~昭和ロマン編~」。京都で過ごした青春時代の甘酸っぱいロマンを軽いタッチの随筆に仕上げ、得意の絵をふんだんに配した個性あふれるエッセイ集

 「京都万華鏡 大正・昭和のないしょばなし」に続く、第2弾「京都万華鏡 昭和ロマン編」は柴田敦子さんが描いた百合の花が万華鏡のようにデザインされた鮮やかな表紙。

 エッセイ集の中には58点もの絵が収められ、楽しくページをめくることができる。表紙を開くと巻頭グラビアは「四季を旅する」と題された絵が4点と俳句。春の絵には「花の道 タカラジェンヌとすれ違ふ」の俳句が添えられている。「青い季節」で始まるエッセイは「エジプトの薔薇」まで16の物語で構成され、柴田さんが育った京都での若人のロマンスや趣味の山登りの思い出、懐かしの映画、「アラビアンナイト」の世界に憧れ旅したシルクロード、エジプトの旅の話などが昭和の香りとともに描かれ、ほぼページごとに掲載されている絵がまた、楽しい。第2章の「敦姫の溜息」は辛口のエッセイ。現代のゆがみやモラルの欠如が柴田さんならではのユーモアある語り口で書かれている。あとがきに代えて書かれた「シチリアに思う」は大好きなシチリアを旅した紀行文で、最後に「My Way」の一節を歌いながら…ごきげんよう Arrivederc と締めくくられているのも柴田さんらしい。もちろんシチリアの絵も5点収録されている。

 著者の個性があふれる美しいエッセイ集「京都万華鏡~昭和ロマン編~」は9月22日~27日に神戸で開かれる「柴田敦子洋画展―四季の旅―」の会場にも置かれる。

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