歌劇の街 宝塚を賑わしたカツドウヤ達 映像に生涯をかけた記録 野村 純一

発行日 2017年10月28日
発行所 アトリエ J
著 者 野村純一
定 価 1000円+税
印刷・製本 あさひ高速印刷株式会社
四六判 208頁 並製本

 かつて宝塚には宝塚映画製作所があり、1952年から1968年の16年間に「姿三四郎」「小早川家の秋」など175作品の映画が製作された。それらの作品の中から毎年、何作かがシネ・ピピアでの宝塚映画祭で上映されている。今年の映画祭の初日にゲスト出演した野村純一さんは宝塚映画製作所で助監督を務め、後の宝塚映像㈱ではテレビ映画の監督を務めた。宝塚映画時代の記録を一冊にまとめた「歌劇の街 宝塚を賑わしたカツドウヤ達」を映画祭の初日、10月28日に出版した。

現場を知る助監督が語る監督や男優、女優のエピソード

 著者の野村純一さんは45年間映画に携わってきたカツドウヤ。1951年に歌劇の生みの親、小林一三が創立した宝塚映画製作所の助監督部に入社、以来1968年まで映画の制作に携わり、映画の現場をつぶさに見て来た。その貴重な記録が「歌劇の街 宝塚を賑わしたカツドウヤ達」には詰まっている。表紙は在りし日の宝塚映画製作所の写真があしらわれ、宝塚の街を著名な監督や男優、女優が華やかに行き交った日々があったことを思い起こさせる。11章からなる本文は、ロケハンやセット設営、時間と経費の計算など厳しい仕事内容を記した3章「撮影スタッフと役割」4章「映画作品の製作から上映まで」に加え、5章~7章には現場を知る野村さんならではの秘話が収録されている。黒澤明、小津安二郎など監督、三船敏郎、加山雄三、原節子、八千草薫、司葉子などそうそうたる男優、女優のエピソードが興味深い。例えば、三船敏郎監督・主演の「五十万人の遺産」で清荒神山中にある自衛隊演習場のロケ現場に三船敏郎が先頭に立って小道具を運んだり、水中での撮影でも率先して首まで浸かったり…「三船さんのスタッフへの気の配りようは大胆な演技と異なり非常に繊細です」というように。同時に女優の知られざる素顔も添えられている。そして9章「高野山真言宗との出合い イベントの制作」、10章「第2回モントリオール映画祭に参加」、11章「宝塚映画祭とZUKA」と続く。

 昔の映画事情を知ることが出来る貴重な1冊である。

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