発行日 令和4年11月1日
撮影者 鹿島晶彦
編集協力 ウィズたからづか編集部
印刷製本 あさひ高速印刷株式会社
定価 2,000円+税
B5判 並製本 オールカラー 74ページ
鹿島さんは、定年後の趣味として写真を始めたそうだが、当初から独自のテーマを設定し、全国を回って撮影している。
プロとは違うアマチュアの視点で撮られた写真には鹿島さんの桜や城への愛着が感じられ、温かな写真集に仕上がっている。
まえがきで鹿島さんは「日本の誇る城と桜の姿をお愉しみください」と述べているように、日本人にとって城、特に天守閣と桜は魅力あるスポット。
表紙は現存天守閣がある愛媛県の松山城が古い佇まいを見せ、裏表紙は満開の桜の間から見える会津若松城(鶴ケ城)の五層天守が美しい。
収録されている90城のうち、現存する天守閣は12城、再建・復元が25城で、国宝は松江城と松本城、犬山城、彦根城、姫路城。姫路城は再築前と後、熊本城は震災前の姿が掲載されていて興味深い。
日本の城と桜というテーマで90城が揃うのは珍しいのではないだろうか。写真集を見て、行ってみたいと思う人のために、巻末には住所や撮影日などの一覧表が掲載されているのも嬉しい。
写真集の制作はデジタルカメラならPCにデータを取り込み、写真枚数を絞り込む。プリントの場合はスキャンしてデータ化することになるが、まずはプロに相談。用途や写真点数によって写真集のサイズ、ページ数など仕様を決定し、次に1ページに掲載する写真の点数や写真説明をどうするかなどの編集作業に移る。その後ゲラ校正でレイアウト(割付)を確認後、印刷、製本という流れ。
鹿島さんは写真集を制作する意図を「写真集を見て美しい日本を再発見してもらえたら、という気持ちと、自分の記念誌としても残しておきたい」と話す。
「日本の城と桜」は、桜の時期にお城を訪ねてみたくなる写真集である。