鉄斎美術館開館45周年の最終企画として、10月11日(日)~12月22日(火)まで鉄斎美術館別館史料館で開催される「蓮月と鉄斎」展。富岡鉄斎(1836~1924)は、若き日に、歌人・陶芸家の大田垣蓮月尼と共に暮らし、薫陶を受けたと言われています。
幕末から明治初めの歌人として世に知られる大田垣蓮月(1791~1875)。寛政3年(1791)、京都に生まれた蓮月は、不遇の前半生を乗り越え、数え33歳で出家しました。自作の焼き物に自詠の和歌を彫るという独自のスタイルを作り上げ、京土産「蓮月焼」として人気を博しました。若き鉄斎は北白川心性寺に越した蓮月の学僕として生活を共にしながら、作陶の手助けをし、歌と書と土の世界に親しみました。質素な生活をしながらも飢饉の時には寄付を惜しまず、鴨川には自費で丸太橋を架けるなど、慈悲深い蓮月の生き方に感化されたのは言うまでもありません。敬愛する蓮月が書した和歌に、鉄斎が絵を描いた合作を数多く遺しています。明治8年、蓮月が数え85歳で没した後、鉄斎はその徳をしのび、生涯にわたって供養しました。大正13年(1924)、鉄斎は蓮月の50年忌法要を営み、ほどなくして数え89歳で没します。
本展では蓮月と鉄斎の合作「奴図」をはじめ、鉄斎遺愛の蓮月焼も展示されています。
「蓮月と鉄斎」
前期 10月11日(日)~11月 15日(日)
後期 11月22日(日)~12月22日(火)
会場 鉄斎美術館別館史料館
開館時間 9時30分~16時30分
休館日 水曜・展示替期間 入館無料
※会期・開館時間は変更となる場合があります。
詳しくは美術館ホームページをご覧ください。