令和2年(2020)、鉄斎美術館は開館45周年を迎えます。幕開けは1月5日から3月24日まで開催されている「清荒神と鉄斎」展。先々代法主光浄和上は晩年の鉄斎と親交があり、多くの作品を蒐集、鉄斎美術館には鉄斎から贈られた作品も遺されています。
清澄寺の山号に因んで描いた
「蓬莱山図」
鉄斎美術館には、2000点に及ぶ富岡鉄斎の書画及び遺愛品・学術的資料などが収蔵されていますが、その始まりは、第37世法主である坂本光浄和上が、鉄斎の作品に一貫して流れる高潔な精神と豊かな芸術性に心を打たれ、宗教と美術の融合をめざし「宗美一体」という理念を構築、鉄斎作品の蒐集と研究に情熱を注いだことに端を発しています。
大正11年に念願の面談を果たし、晩年の鉄斎と親交を結びます。高齢のため鉄斎が清荒神を訪れることは叶いませんでしたが、直接、光浄和上に贈られた名品や書簡等、貴重な作品が展示され、コレクションの礎を知ることができます。中でも鉄斎が光浄和上の依頼を受け、書の手本として制作した「前赤壁賦書」、八十九歳の誕生日を祝って和上が鉄斎に贈りものをした返礼として描かれた「蓬莱山図」など共に九十落款のある晩年の興味深い作品を見ることができます。
「清荒神と鉄斎」
前期 1月 5日(日)~2月 9日(日)
後期 2月16日(日)~3月24日(火)
会場 鉄斎美術館別館史料館
開館時間 午前9時30分~午後4時30分
休館日 水曜・展示替期間 入館無料
※鉄斎美術館「聖光殿」は長期休館中。