清荒神清澄寺では夏の行事として7月13日~15日に盂蘭盆会、8月24日に地蔵盆施餓鬼会が執り行われます。前者は清澄寺開創千有余年の歴史における先師、お寺に縁の方々と萬霊の供養が行われる行事ですが、後者は一般の参詣者が施餓鬼法要に参加でき、塔婆供養が厳かに執り行われます。
盂蘭盆会(お盆)は祖先の霊を死後の苦しみの世界から救済する仏事です。お釈迦様の弟子で神通第一とされる目蓮尊者が、餓鬼道に堕ちて苦しむ亡き母を救うため、神通力を用いようとしましたが、成せずお釈迦様に助けを求めたところ、多くの僧侶を招いて経を読誦し供養するよう指南を受け、その功徳によって母が救われたという「盂蘭盆経」の説話に基づいています。通常お盆の行事は8月に行われますが、清澄寺では旧暦の7月13日迎え火から15日の送り火まで、理趣三昧法要が本堂で行われます。
8月は地蔵菩薩の縁日である24日に、死後に餓鬼道に堕ちた人々のために食物を施しその霊を供養する地蔵盆大施餓鬼会が執り行われます。地蔵菩薩はサンスクリット語でクシティ・ガルバと言い、クシティは大地、ガルバは胎蔵(生命の源)を表し、地蔵菩薩はそれぞれに「地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天」の六道輪廻の世界を担当していて、迷いと苦しみを救済する御誓願を表しているのです。優しい姿で立つお地蔵様は大いなる慈悲心で救済行を施し、悪い因縁を取り除いてくれる最も身近な菩薩様です。
施餓鬼会は、お釈迦様の弟子・阿難尊者が、餓鬼道に苦しむ一切の餓鬼に食物を施し、供養し、死を逃れ弟子の中で一番長生きしたことに由来する行事で、午前10時から本堂での理趣三昧法要の後、一願地蔵像尊前で施餓鬼法要(塔婆供養)が行われ、法話のあと参詣者にお供物が授与されます。施餓鬼会の際に行われるご先祖様を供養する塔婆供養は、7月1日~8月24日の午前10時まで申込みを受付けています。ご先祖様を供養し今に感謝するお盆の習わしを大切にしたいものです。
▲迎え火
▲送り火
▲一願地蔵尊前にて施餓鬼法要
▲ご先祖様を供養する塔婆が並べられた施餓鬼壇にて
▲小法話の様子